最近観た映画のTrailer

【Into The Wild】
この映画のラストはアリかナシか、そこの判断基準でその人の人生観がなんとなく分かっちゃいますネ。オレはどちらかと言うとアリでした。彼の人生を全肯定はしないけれど、アリだな。バックパッカー経験のある人、もしくはバックパッカーやりたいと思ってるひとは是非観るべし。主演のEmile Hirschは、こざっぱりしているときはLeonardo DiCaprioに、髭モジャになっているときはJack Blackに、ソックリでした。若干、Sean Pennの哲学性が押し付けがましくて、観ていてシンドイ瞬間もありますが。隠居生活の全てを革細工に注ぎ込んでいるジイサンの顔に泣ける。男の顔に刻み込まれた皺は、勲章だ。

 
 
【 Once 】
予想以上にイイ映画でした。ダブリンの街角にはこんなにも才能溢れた若者がウヨウヨしているとかと勘違いしましたが、主役の男女2人とも俳優さんではなく、もともとプロのミュージシャンでした。ラストがとにかく大好きです。ネタバレ覚悟で書きますが、所謂ラブストーリーのありがちなハッピーエンドにならないところが好き。劇中に何度も歌われる曲「Falling Slowly」の歌詞も、このラストだからこそ見事に昇華しきれているように思える。主役2人の役名が無く、ただ単にGuyとGirlで、匿名性を持たせているのも、また良し。主演のGlen HandersonはThe Framesというバンドのヴォーカルらしく、声が好き過ぎ。日本ではこういう立ち位置の歌い手さん居ないネ。透き通るような歌声よりも、クセのある濁声のほうが断然好きじゃ。おっさんロック万歳。

 
 
【 Across the Universe
前評判は各方面から「監督の自己満足映画だ」と酷評されてましたが、オレはものすごく好きです。たしかにアーティスティックなアプローチが強すぎ&上映時間長過ぎですが、どちらも必要な要素だと思います。The Beatlesを全面フューチャーしたミュージカルとしてではなく、また、2人の男女のラブストーリーとしてでもなく、ベトナム戦争を背景とした一時代を切り取った群像劇としてオレ的にはかなりの高評価です。日本で言うなら中島哲也が好きな人は必ず気に入る筈の演出テイスト。オレ自身はThe Beatlesに全く思い入れがないので、音楽に関してもフラットな気持ちで聴けましたが、Let It BeとHey Judeの流れるシーンでは否応なく涙が出た。完全にヤラれた。っつーか、主演のJim Sturgessは口元が適度にユルいアヒル口でカワイ過ぎる。あと、不意を突いて突然登場するBonoにはビビった。何?あの役。