チンコが萎えるまで待て

交尾で死にかかってる野良犬の命を救いました。
今日も一生懸命に病院の事務所で働いていたところ、何処からか瀕死の犬の鳴き声が。遠吠えとはまたちょっと違うニュアンスの泣き叫ぶような鳴き声。ちょっとこの鳴き声は尋常じゃないな、と同僚たちを窓から外を眺めると、遥か彼方の路地に犬を発見。どうやら2匹います。よーく目をこらして観察してると2匹とも妙な体勢。かなり無理な感じがする体勢で絡まってるように見えます。すると同僚の一人が突然「かかってる!かかってる!アレかかってる!ヤバい!死ぬよ!」と叫び出しました。 何?かかってるって? どうやらその同僚によると交尾中にメスの子宮が突然収縮を起こしてオスのチンコが抜けなくなってる状態だとのこと。このままだとチンコが抜けないまま痛がるオスがメスを引き摺って走りまわり、あげくの果てにはメスの子宮が体外に出てしまって死んでしまうのだそうな。 そりゃ大変!
仕事なんかよりも犬の命が大切だ!ってことで相談室の生き物係であるオレがとりあえず相談室から走り出て奇妙に絡んで泣き叫ぶ野良犬2匹めがけて全力疾走。すると他の同僚も次から次へと走り出しました。やっぱりみんなオシゴトよりイヌ優先です。犬担当です。走りながら「ところでアレってどうやって助けたらエエの?」と訊ねれると同僚ちゃん♀独身27歳が「とりあえず2匹とも押さえつけて動かないようにしてオスのチンコが萎えるのを待つのよ!」と教えてくれました。嫁入り前の娘が白昼堂々白衣をひるがえして全力疾走しながら「チンコが萎える!」と叫んでるのもシュールですね。
オレらが駆けつけるより早く近所のオバハンが家から出て来て絡み合う犬めがけて水を撒きました。「あー!オバチャン!水かけちゃダメ!かかってる!かかってる!」同僚が叫ぶと、オバチャン「あー、さかってる犬がうるさかったから〜。抜けなくなってるのね〜オホホ〜」だってさ。
妙な体勢で絡み合う2匹を3人で押さえつけました。助けてやろうとこっちは必死なのにコイツら噛み付こうとしやがる。お前らめっちゃ恥ずかしい状況を取り押さえられてるとゆーのに。どうにか噛まれないようにこちらも必死です。
犬と我々、双方とも息荒くしばらく沈黙。5分ほど押さえてたかな?突然オスが力強く我々の手を払いのけ、スポッと抜けました。おー!抜けた!と喜びも束の間、走り去るオス。それに気を取られ思わず力が抜けた瞬間を見逃さず手を振りほどき、これまた走り去るメス。お前ら、ホント恩を仇で返すとはこの事だな。ポツンと路上に取り残された生き物係の3人。トボトボと病院まで歩いて帰りましたとさ。