beautiful

実は人生の中で今のところベスト10に入る曲です。
あまりビジュアル系は好きではないのですが。
なんだろうね、この切なさと、やりきれなさと、でも背中押させる感と、応援されてる感と。当時はまだオレ世の中の仕組みや人生の不条理を分かってるようで分かってなかったんだけど、30も過ぎて40の声がそろそろ聞こえる年齢になるとこの曲のスゴさがよく分かるね。演ってる本人たちも当日は全然20代の若造だったんだけど、よもや10年の歳月を経てこの曲がこんなにも味わい深い曲になるとは思ってなかったんだろうな。だってsophiaと言えば当時は「街」や「believe」がバンドの代名詞だったもんな。どっちもすごくピチピチした若さ溢れる曲だもん。でもこの「ビューティフル」はロック少年が大人になってく感じがすごくよく表現されてる。若さの象徴とは全く逆の方向のメッセージ性。全く逆の泥臭いスタンスな怒髪天の歌詞世界に通じるモンさえあると思う。マンガで言うとシガテラか。「ロックは詳しいぜ」って一言には本気で泣ける。自分が大好きなロックスターは誰もがハチャメチャで破天荒で、そんな彼らを雑誌やCDで必死に追いかけてたけど、ふと振り返ると自分はケンカもクスリもやったことないし大した修羅場も経験してない、ロックが自分にとっては「憧れ」でしかなかった事に気付いた時、「でもロックは詳しいぜ」っていうセリフに含まれたこの寂しさ。しかしそれは逆に、自分なりのせいぜい80年の人生・日常を生きていくと覚悟を決めた男らしい瞬間でもあるわけで。ラスト大サビの歌詞とかスゴいよね、後ろ向きで前向き。そんなコトを考えながら聴いてると、なんだかものすごく美しい曲だなぁって思う。あ、だからbeautiful lifeで、beautiful songなんだな。