tokyo

26〜28日は治療プログラムの研究会で東京へ。
自分が話をしなきゃいけない内容は今夏の実演キューシューの焼き直しなので準備は手抜きラクチン。今年はやたらとずっとPの構造化治療について全国あちこちで話してまわっているような気がしないでもない。
 
そんな本来の目的はあまりどーでもよくて、偶然その日が創也さんのライブの日と重なったので、寧ろそっちのライブに行くことの方が重要な気分になったりして。(このライブと銀座アップルストアに買い物行った以外は基本的に東京とは思えないような辺境の地へ隔離されてました)
や、イイ勉強をさせて頂きました。ソロとして、たった一人でステージに上がりお客さんと対峙することの何たるかを。オレなんて甘チャンだなぁと反省しきり。でもヤル気も満載頂きました。おかげで電車に乗るときも、道路歩くときも、指先がずっとピック持つかたちに自然となってしまう。さらには無意識に8分音符も刻んでたりして。もっと頑張んなきゃな、と。
対バンしてた初めて見る某バンドさんにもヤル気を随分といただきました。バンドとして長らく一緒に音を重ねるとは、こーゆーコトなんだなぁと。バンドそれぞれにとって大切にしてるモノがあると思うんですよ、例えば演奏力をトコトン追求してるバンドがあったり、とにかく楽曲の良さにこだわるバンドがあったり、音そっちのけでビジュアルコンセプトに凝るバンドがあったり。それぞれ良いコトだと思います。その中で、一つのバンドとして「このメンバーで音を重ねて、運命共同体であることを最優先する」ってコトをまず一番大切にしてるバンドもある。

《→http://canvasofmusic.com/
 
今回の東京出張での旅のおとも本は「ロッキン・ホース・バレリーナ」でした。「十八歳で夏でバカだった。バイト暮らしの耕助は、仲間のザジ、バンとパンクバンド「野原」を組み、古ぼけたワゴンで東京から博多への初めてのライブツアーを敢行。行く先々でグルーピーを引っかける予定が、謎のゴスロリ娘・町子がヒッチハイクで合流し旅は思わぬ方向へ。町子の正体は?ツアーは成功するのか?耕助と町子の恋の行方は?バンドの未来は?」大槻ケンヂお得意の青春ロック長編小説。いやー、良かった。特に今回の東京とこの本の持つパワーが見事にシンクロしてしまった。飛行機の中で30頁ほど読んで既に泣いてしまった。その後、電車の中やホテルの部屋で読むたびにむせび泣いてた。
物語の中でパンクバンド「野原」がステージのオープニングSEとしてKISSの「God Gave Rock & Roll To You」を毎回流すんだけど絶妙な選曲だ。KISSの中でも屈指のパワーバラード。文章読みながら脳内SE流れて思わず熱くなった。今後オレも自分のステージ前にはこの曲をSEで流そうとココロにキメた。
大槻ケンヂのバンド青春小説は描写がやたらとリアル。バンド経験者なら「あるある」と思わず頷いてしまうような、ステージでの高揚感やツアー中のトホホなエピソードもおそらく実体験から引っ張って来ているんだろうと想像に易いが、それが故に映像が頭に浮かびやすい。映画化すべき。クドカン少年メリケンサックなんて微妙な映画作るくらいなら、コレを映画化すりゃ良かったのに。「野原」はぜひdustboxの3人にやってもらいたいもんだ。そして主題歌はthe pillowsスケアクロウ」だ。コレは絶対に外せんな。こんなにもバンドツアーの物語に似つかわしい曲をオレは他に知らん。
 
良い旅の途中、良い本と良い音楽に出逢えることほど嬉しいことはない。いつも心に音楽を、傍らに文庫本を。
この本を読んで「ゴスロリの娘もキュートでカワイイのぅ」と思ったのも束の間、中央線乗ってたらやたらとデカいオバハンのゴスロリに遭遇して腰が抜けた。元々デカイ人なんだろうけど、ゴスロリ特有と広がったスカート、何重にも縫い付けられ誇張されたフリル、分厚いラバーソールの効果でさらに倍。尋常ではないデカさ。一瞬これは男なのではないかとひるんだが、多分アレは女。巨大なオバハン。東京はコワイところじゃ。

ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)

ロッキン・ホース・バレリーナ (角川文庫)