勝手にノスタルジー

友人の劇団が旗揚げ公演にてSUNNY SIDE WALKERの【勝手にノスタルジー】を演ると云うので、久しぶりに芝居を観に行ってきた。その劇団オリジナルの本ではないものの、地元劇団の芝居を観るなんて実に10年振り。23時からの開演というかなり挑戦的なスケジュールでした。驚。

オレが地元の演劇業界にチョコッと足を突っ込んだのは、高校3年生。学ラン着て稽古を見に行ったりしてたなぁ。STATION Gって箱にちょうど若手劇団が集ってた頃。okymで芝居関係に興味ある人は「あー、懐かしい」って思ってくれる箱だと思う。もちろん今はもう無い。当時まだまだ子どもだったオレは芝居に熱中する大人たちを見て「世の中にはこんなバカをする大人もいるんだなぁ。素晴らしいことだなぁ。」と感動したものです。
それから2〜3年の間しばらくは演劇の面白さに夢中でした。それも商業演劇ではなく、地元のシロウト演劇。まだまだモラトリアムな自分にとって、公演直前に発生する文化祭に近いドタバタ感は本当に気持ちよかった。オレは裏方の仕事が楽しくて、美術や音響など黒子に徹してたんだけど、2回だけ舞台にも出たことあったなぁ。演技をするのはホント向いてないと痛感しましたが。でも、一緒に芝居をやってたまわりの大人たちが本当にロクデナシで、愛すべきバカ野郎ばかりの楽しい日々でした。
今回観に行った芝居では、当時一緒にやってた人たちの姿を舞台上で見る事はありませんでした。そりゃアレから10年も経ってるわけで、それなりにみんな芝居なんか辞めてマジメな大人になっちゃったのなかぁなんて、ちょっと感傷的になっちゃったりして。しかも、今回観た芝居がちょうど、過ぎ去った過去に思いを馳せるノスタルジックな物語だったりして。さらに、Neil YoungのAfter The Gold Rushなんかが劇中で流れたりして。できすぎ。
そして今オレは一人でギター弾いて歌ったりしてる。また劇団で公演を打つような大舞台は出来ないだろうなーと思う。あれから10年経って、自分はとにかく団体行動が苦手だと云うことを自分自身よーく知ったし。たかが3人のユニットでさえ十分に動かすことができなかったからねぇ。まして劇団なんて大所帯はムリムリ。だから、せめて自分のメロディーを紡ぎだして、自分の言葉を乗せて、自分の声で歌うのが精一杯の自己表現。毎日仕事に追われる大人の生活を送る中で精一杯の自己表現。
あの頃一緒にバカやってた大人たちは今、何してるのかな?