新世紀黙示録的漫画世界
【虹ヶ原ホログラフ】浅野いにお
あまりにも『ソラニン』が良過ぎたので浅野いにおを追いかけてみようと思い購入。コミックの帯の紹介文には「虹ヶ原という土地を舞台に、小学校の同級生たちの過去と今が交差する。子どもたちのうわさ、トンネルの中の怪物、家族の秘密、蝶の異常発生……あらゆる糸が絡み合い織り成す、新世紀黙示録」と書かれてました。『ソラニン』のイメージをそのまま期待してノスタルジーな物語を予想しつつ読んでたら見事に裏切られました。まともな人間が一人も登場しない。驚異の物語です。スゲエ!どっちかと言うと「It」と「永遠の仔」を足して2で割った感じ。ミステリーとかサスペンスなんて簡単なカテゴリーでは表現しきれませんがな。Quick Japanで連載されてたっつーのも頷けます。この浅野いにお、もっともっと追っかけても価値がありそうな作家。この無垢で残酷な感じは思わずSOFT BALLETのINFANTILE VICEを思い出さずにはいられない。「毒は毒へと姿を変えながら 永遠の塔 彷徨う旅へ さらなる奇跡さらなる夢に 虚無を知らぬ救いあれと」。
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2006/07/26
- メディア: 単行本
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【カボチャの冒険】五十嵐大介
東北の田舎で畑を耕しつつマンガを書いて暮らす男一人とネコ1匹のエッセイ的マンガ。37kwくんのblogで紹介してありました。実際にネコと一緒に暮らしてる人がオススメするなら間違いはないと思いオレも迷わず購入。大雑把な画面構成と画力で、決してキレイな絵とは言い難いマンガだけど、何気ないネコの表情や動作の瞬間を切り取るセンスは抜群でした。今まで読んだネコ登場マンガではダントツに上手いかも。どのマンガも多少デフォルメされてネコの表情を表現してるのですが、この作者は見事に「素のネコの表情」を上手に二次元で再現しとる。
《五十嵐大介周辺日誌 → http://d.hatena.ne.jp/iga-ren/》
- 作者: 五十嵐大介
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2007/07/30
- メディア: コミック
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【僕の小規模な失敗】福満しげゆき
以前rockくんから借りてココのblogでもレビューを書いたこの本、結局自分で購入してしまった。どうしても手元に置いておきたかったのだ。この人生迷走感がたまらなく好き。「このままじゃダメになる…すべてがダメになる大いなる予感」って、オレも思春期の頃はよく感じてたなぁ。この主人公には尋常ではないほどの共感を覚えるのよ、いやマジで。
(以前のレビュー → http://d.hatena.ne.jp/dogs/20080105)
(福満しげゆき → http://www.k5.dion.ne.jp/~fukuyuki/)
- 作者: 福満しげゆき
- 出版社/メーカー: 青林工藝舎
- 発売日: 2005/09/25
- メディア: コミック
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【エンブリヲ】小川幸辰
今回コレは購入しませんでしたが、本屋で偶然復刊されているのを発見して本気でビビりました。出版社の英断に拍手を送りたいです。虫が苦手な人には絶対オススメできない超グロテスクな虫マンガ。ナウシカも虫がてんこ盛りですが、アレは架空の虫たちなのでイマイチ気持ち悪さが伝わりません。それにくらべてこのエンブリヲはリアルに虫テイストが満載でグロいです。そんな虫が大量発生して下水道から溢れ返ったり人間の皮膚を食い破ったりするので恐怖度最高潮です。アフタヌーン連載時は戦々恐々とした気分で読んで気持ち悪くなってましたが翌月の展開が楽しみな不思議な後味のマンガでした。その伝説の虫マンガのコミックスが復刊です。これは歴史的事件だ(個人的に)。
- 作者: 小川幸辰
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/01/30
- メディア: コミック
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