ネタバレ木更津キャッツ

ケンチャンはブルースを聴きにメンフィスへ。向こうのホテルでiChat試してみたんですが、どうも繋がりが悪くビデオチャットは断念。仕方無く文字チャットしました。ことえり変換がホントにバカで楽しかったです。2人してずっと「憑かれる」「憑かれる」でした。だって「疲れる」って打っても「着く」って打っても出て来るのは「憑」だもん。ホント笑かしてくれるわ、ことえり

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またしてもrockくんに借りてた『木更津キャッツアイ』、土日かけて一気観をしてしまいました。てゆーか、観出したら止められんかったのよ、オモロ過ぎて。ビックリした!超ヨカッタ!(何を今更って言われそうだけどね)
いつもは映画観たり音楽聴いたりしたら詳しくレビュー書いたり、どうして感銘を受けたのか自己分析したりするんだけど、今回はナシ!てゆーか、そんなんしないほうがイイ!絶対。木更津の抜けるように青い空と海を背景に繰り広げられるこのリリカルでハイパーで全速力な青春群像劇はダイレクトに感じたままを体内に留めておけばイイと思うから。
てかクドカンすげー!毎回時間軸を自在に操ったあれだけクオリティーの高い脚本書けるなんて。今までちょっと三谷幸喜テイストのほうが好きだったんだけど、今回クドカンの評価がかなりアップしました(比べる対象ではナイような気もするけど)。基本的に三谷の脚本は登場人物が性善説で書かれてるけど、クドカンはどう考えたって登場人物たちを性悪説で書いてる。そのあたりも好きなポイントかなぁ。賭け野球とかトルエンとか血糊とか、R指定が付きそうなキワドいラインをかすめたストーリー展開もお見事!
てかキャストも誰一人ハズレなし。最初は薬師丸が他の俳優陣に比べてちょっと薄過ぎるかなぁと思ってましたが、後半になるにつれ薬師丸の控え目に押さえた演技が際立ってキてました。特に良かったのは小日向文世和田アキ子のコスプレで「あの鐘を鳴らすのはあなた」を歌うと言うこのマヌケ極まりないシチュエーションなのに不覚にも泣いてしまった。あのシーンで泣かないヤツはいねぇな。それに阿部サダヲもスゲエ!全編通してあのテンションを維持できるのは本当スゲエ!
一言で言えば『ノンケ乗り』。ゲイであるオレらでは決して醸し出す事の出来ないこの爽快でノーテンキで、それでいて胸キュンなノリ。みんなでギャーッて言ってワーッてなってダーッて走ってく。そんな擬音語だけで表現可能なノリ。それがギュッと凝縮されて詰まったドラマでした。だからちょっと前のオレならもっともっと感極まってたと思う。この爽快でノーテンキな「ノンケ乗り」に飢えてたから。そしてこのノリを手に入れられない悔しさや寂びさしや羨ましさで切なくて仕方無くなってしまっていたと思う。どっちかって言うと人と交わる事で生じる煩わしさが嫌いなのでケンチャンと2人っきりでイイや、って生活してたからね。でも最近はケンチャンがいなくて淋しいのに変わりはないけど、ケンチャンがいなくなったぶん職場の同僚や色んな友達と大声で歌ったり意味なく叫んだり走ったり踊ったり転げ回ったりしてる。無意味にテンション高くて楽しい。木更津キャッツアイの彼らの騒々しい日常にオレ自分自身の今の騒々しい日常がオーバーラップしてしまった。あとミセコ始めたばかりの二十歳の頃の騒々しい日々も思い出しちゃった。ケンチャンと2人っきりでいる頃は感じなかった人間と関わる事の煩わしさとか面倒臭さを感じることも増えたけど、そのぶん何だか日々が濃い。煩わしいって素敵なコトだ。そんな煩わしいけど愛おしい仲間ってイイナーとしみじみ思ってしまった。
それから、あの店(佐藤隆太の店ネ)ってイイな。みんながウダウダと集まれる店。別に店でなくてもイイんだけど、「集まれる場所」があるってのはホントにイイことだ。「ミルク」でも一番羨ましいって思ったのは、みんなが集まれる家があるってシチュエーションだったしね。多分オレがミセコやってた頃、たしかに忙しくて大変だったけどそれでも楽しかったのは、あの頃のORBがそーゆーみんなが集まれる場所だったからだと思う。好きな人もキライな人もたくさんいて、そんなみんなが集まれる場所って煩わしいコトも多いけど、そのぶん素敵なコトや楽しいコトもいっぱいあるのだ。結局、木更津キャッツアイって、そんなドラマ。
結局なんだか色々とレビュー書いたり分析しちゃった。DVD買おっかな。てゆーか、日本シリーズワールドシリーズも観なきゃ。

木更津キャッツアイ 5巻BOX [DVD]

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