戦隊ヒーロー哀愁で哭く

自分の音楽ルーツに今日やっと気付きました。戦隊ヒーローもの主題歌です。もう確実にコレ。コレしかない。他に見当たらない。どんなジャンルでも誰とでも話が合わせられる程に様々な音を雑食に聴いて来ましたが、本来の自分が欲する音は戦隊ヒーローです、もうコレ確実。
その要素を分析してみよう。まず、出し惜しみのない構成。基本的に全てがテレビサイズで放映されることを前提に書かれている曲たちなので、もったいぶった曲構成をしていない。おいしいフレーズやコードをもぅ出し惜しみ無く、しょっぱなから叩き込んでくる怒濤の曲展開は潔くて大好きです。次にインパクト。子ども相手の曲だからインパクトはそれなりに大。一度聴いたら忘れられないフレーズが次から次へとわんさか出て来る。インパクトのあるコンパクトな曲。デンジマンの主題歌イントロとか、スゲー。そして非常にブッ飛んだトンチンカンな歌詞。"花咲く未来を賭けて"とか"敵は暗黒のデスダーク"とか"決めろトドメの鉄拳を"とか"スクランブルで発進だ"とか。日常生活では、とんとお目に掛かることのできないセンテンスが目白押し。さらに豪華絢爛なアレンジ。もぅホーンだろうがストリングスだろうがお構い無しにてんこ盛り。特に昔の古いヤツはものすごく微妙な感じのシンセとやけに生々しいホーンがごった煮状態で混在。ゴテゴテに飾り付けられたアレンジはとにかく耳にこびり付いて離れません。極めつけは、哀愁!この哀愁が全てを物語ってる。そしてこの哀愁こそがオレを虜にさせる。基本的にドギツイ感じの曲展開が多いけど、どの曲も必ず要所要所に7thで泣きのコードを絡めて来たり、キメの箇所で絶妙なテンションコードが噛んでたり。ヒーローの悲しいサガってやつを見事に表現するこの哀愁展開のコードは戦隊ヒーロー主題歌で欠かせない要素だと思う。
これらの要素が他のジャンルの曲には全くナイ!巷で流行ってるのは、妙に一歩引いたような冷めた歌詞だったり、もったいぶったアレンジだったり、そんなのツマンナーイ。どうりで自分で作った曲はゴテゴテした感じになるわけだ。自分のルーツがココだもんな。引き算のサウンドアレンジが出来ないわけだ。
戦隊ヒーローもの主題歌の中でも特に秀逸なのはバトルフィーバーJのエンディング『勇者が行く』だと思うのですが、どうだろう。もぅあの泣きのギターサウンドは悶絶モン。ジュリーが最も脂の乗ったイイ時期にリリースされた「サムライ」「時の過ぎゆくままに」を彷彿とさせる。あんなムーディーでアダルティーな曲を子供時代にインプリンティングされたオレらは、ある意味で幸せだったとつくづく思います。オレもオマエも!オマエもオレも!って、一体どんな歌詞だっつーの。悶絶。

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ついでに布袋(ギタリズム)とかチャゲアス(初期)とかYMO(坂本監修のベスト)とかウルトラマン主題歌集も一緒にレンタルしたんだけど、どんな組み合わせだっつー話ですね。それにしても、坂本監修のYMOベストですが(赤いジャケットのやつね)、教授本人がライナーノーツ書いてたんだけど、YMO解散について「ものすごく愛し合ってるのに、どうしてもうまく行かない恋人が別れるみたいなもん」って表現してたのが、ものすごく印象的。そして映画プロパガンダ用に書いた曲『M-16』を、別れた恋人たちのお互いの前途に祝福するファンファーレみたいなものって書かれてたのにも、思わずホロリ。(てゆーか、過激な淑女って明菜のために書いて不採用になった曲なのね。知らんかった。)