ババアはせっせと柿を剥く

干し柿を作ってみました。
職場の看護婦のオバチャンが「あんた柿がぎょーさんあるけー干し柿でも作りねー」と言うので貰ったのです。何故、一人暮らしの31歳男に敢えて干し柿を作れと言うのだ、このオバチャン。オカマ見抜かれたか。でもせっかくの好意なので喜んで戴きました。
とは言うものの基本的に田舎で育った小猿なワタクシでしたが、柿があまり好きではなかった為、干し柿の作り方も知らないどころか、普通の柿でさえめったに食べたことがありません。さて、この大量の柿をどうしたものかと考えあぐねました。するとオバチャンが「これも社会勉強じゃけーとりあえずこの柿を1個食ってみねー」と剥いてくれたのでムシャッと一口頬張りました。まんまとオバチャンの罠に落ちました。豆腐実験でニガリを舐めさせられた室井滋の如くオエェエェェ〜と吐きました。瞬殺です。やりやがったなババア。31歳になって初めて「渋柿」というものを身を以て理解しました。柿には生で食べれるヤツと渋くて食べれないから干し柿にするヤツの2種類があるのね。ちょっと賢くなりました。(サル並み) そんなヒドい仕打ちをされながらも干し柿の作り方を詳しく伝授していただいたので、今年の冬はガンバって干し柿作ってババアのようにその干し柿しゃぶって過ごそうと決めました。
さて、家に帰り早速は柿の皮むきです。基本的に包丁とは友達なのでスルスル剥きます。包丁扱いは任せとけ!イェイ!無心になって渋柿20個を剥き上げました。こーゆー単純作業は意外と楽しい。あまりに無心になりすぎて悟りを開いてしまいそうでした。
そしてこの柿を一度、熱湯にくぐらせるそうです。殺菌の意味も込めて。美味しくなるよう願いも込めて。柿を剥きながらその横で鍋に水をはり湯を沸かしてたのですが、剥き終わるより早く湯が沸いてしまったので火を小さくしてたつもりが、火が消えてガスだけ出てた状態に暫く気付きませんでした。あぶなく柿を剥きながらのガス自殺をかましてしまうところダッタヨ!アブネー。

すっかりキレイに剥き上がりました。バッチリです。柿の山とその後ろのギター(中古で買ったギブソン風のバッタもん)が何ともミスマッチで素敵ですね。あとはこれを直射日光の当たらない風通しの良い日陰に干せば良いとのことなので、ベランダに吊るすことにしました。ちょうど夏にたてかけたヨシズもあるので直射日光は当たらんし風通しもイイし。ただ心配なのは雨か。
 

おっ、何か風流。情緒深いな。男31歳一人暮らしのベランダに吊るされた柿。まぁ男とは言ってもオカマ業界10年選手のベテランババアなんですけどね。そう考えると似つかわしいな、オカマのババアとベランダに干された渋柿。いと、おかし。
 
そんなこんなで意外と簡単に出来てちょっと楽しかったです。基本的に柿はあまり好きではないのですが、こうやって自分で丹誠込めて作った干し柿は美味しくいただけそうな予感がします。ちゃんと出来上がればの話ですが。どのくらいで食べごろになるんだろうね。柿知識が全くナイから全然分からんよ。日々こうやって吊るされてる柿を眺めて過ごすのもオツだなぁと思ってみたり。観察日記でも付けてやろうかしら。