ムード歌謡で半世紀越え

平均年齢は70歳というバンドを観ました。編成はドラム、アコーディオン、ギター、ベース、T.サックス、A.サックス、キーボード。ビジュアル的にはズル剥けな感じでした。色んな意味で。揃いのスカイブルーな背広が目に痛いほど鮮やか。だけどズル剥け。眩しい。色んな意味で。
昭和25年から地元に根付き地道な活動を続けているとの事。スゴいねッ!50年以上同じメンバーで培ったそのグルーヴは何とも言えない味わいがありました。50年って半世紀だよ。スゲーぜ。たとえミストーンがあろうと何だろうと、そんなこっちゃカンケーないんだな、音楽って。
曲ごとに地元の歌自慢さんをボーカルに迎え次々と繰り出されるムード歌謡はホント失禁モンでした。あの日本のムード歌謡独特なビブラートは何だろうね、一体。色気とかいう表現を通り越してグロテスクという表現が適切です。でもそのグロさがアガるよ!アゲー。特に真っ赤な太陽を歌ったダイナマイトボディーなオバハンは強烈でした。ものすごい声量。客席を見据えながらも口元にたたえる不敵な微笑は場末の酒場で養ったテクニックか。あんたホントに素人?さすが、だてに土地柄悪くありません。それにしても真っ赤な太陽と言えばやっぱりケンチャンの妙なダンス。あの頭部と胴体で2拍4拍の違ったリズムを器用に刻むダンスは忘れられません。思い出しただけでも笑える。
憧れのハワイ航路のボーカルを担当したオッサン(ジーサン)が歌い終わった後にそのままマジック始めちゃって、まるめた新聞紙に牛乳ドボドボ注いでる光景は圧巻です。平均年齢70歳バンドもBGMでポールモーリア演奏したりして。スゴい!スゴすぎるよ!この異次元空間トリップ!そしてラメ貼付けまくったエグイ衣装で歌い踊るオババ。老化に伴う指の震えで何ともナチュラルなチョーキングビブラートをかますギタリスト。素敵度数高い!高いヨ!
やっぱイイわー。下衆な感じのムード歌謡。陰靡。ダイスキ。