cold fish

冷たい熱帯魚』(2011年公開 日本)
旬を大幅に逃しましたが今更ながら、実際の事件である埼玉愛犬家連続殺人事件にインスパイアされた園子温監督の「冷たい熱帯魚」を観た。
 
熱帯魚店を営んでいる社本(吹越満)と妻(神楽坂恵)の関係はすでに冷え切っており、家庭は不協和音を奏でていた。ある日、彼は人当たりが良く面倒見のいい同業者の村田夫婦(でんでん・黒沢あすか)と知り合い、やがて親しく付き合うようになる。だが、実は村田こそが周りの人間の命を奪う連続殺人犯だと社本が気付いたときはすでに遅く、取り返しのつかない状況に陥っていた。(yahoo映画より)
 
いや、もうビックリした。圧倒された。
 
でんでんが! 超こえー!
でも完全に一人でこの映画を牽引している。
圧倒的にスゲェ。
(NPD+APDと見立てると納得して観れるかな。)
 
シャイニングのJack Nicholsonや、ノーカントリーのJavier Bardemあたりがキャラクターとしては重なるけど、でんでんのほうが圧倒的に狂ってる。でんでんは元々お笑いスター誕生でコメディアンとしてデビューしているから、普通の役者よりも吹っ切れ方が違うんだろうな。お笑い芸人の突き抜け方は役者さんのそれとは全く異質のモノ。
 
2時間超えの作品だけど、スタート直後から全力疾走し続けるからあっという間に観終わった感じ。ただ、でんでんのターンから吹越満のターンに変わってからが少しだけ失速したか。どうやら園子温も後に映画秘宝にてそのターンが変わるタイミングでエンドロールにしても良かったかなと語ってるようですが。(でも、そうするとラストの吹越と黒沢の超絶血まみれ長回しシーンがなくなっちゃうからやっぱり吹越ターンも必要なんだろうな)
 
受賞もめっちゃ多い。以下がそれ。主演の吹越に賞がないのが寂しい。
第36回報知映画賞・監督賞(園子温)/最優秀男優賞(でんでん)、第54回ブルーリボン賞・作品賞、第21回東京スポーツ映画大賞・作品賞、監督賞(園子温)/助演男優賞(でんでん)、第66回毎日映画コンクール男優助演賞(でんでん)、第85回キネマ旬報ベスト・テン日本映画監督賞、助演男優賞(でんでん)、第33回ヨコハマ映画祭・監督賞(園子温)/助演男優賞(でんでん)/助演女優賞(黒沢あすか神楽坂恵)、第35回日本アカデミー賞・最優秀助演男優賞(でんでん)
 
でもこれよく考えたら、でんでんと吹越満は「あまちゃん」で観光協会長と漁協組合長としても競演してるわけだけど、役者としての振り幅の広さに感嘆する。ホントにスゴいなぁ。
 
それなりの覚悟がないと観れない映画。
見終わった後の不快感は半端ナイよ。
 

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愛犬家連続殺人 (角川文庫)

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