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『 不 安 は 自 由 の 眩 暈 で あ る 。 』
 
キルケゴールの言葉です。
このオッサン、すげぇなぁ。
真実を突いとる。(偉そう)
不安っつー感情は、選択の自由があってこと生じる人間の感情なのだ。選択の余地がないところには不安も迷いも無いわけだ。そりゃそうだ。そして、選ぶって行為は人間にとって無意識下で相当のストレスでもあることに気付く。「選ぶ」ことはつまり、「決断する」こと。「選ぶ」ことはつまり、「何かを取って、何かを切り捨てる」こと。要するに、「選ぶ」ことは、背反事象として「何かを捨てる覚悟を決める」ことでもある。そりゃ眩暈するわな。
この「不安は自由の眩暈である」を、まさに証明する実験も既にされている。同じフォルムであっても、24種類のカラーバリエーションのあるイスと、4種類しかカラーバリエーションのないイスとでは、完全に4種類のカラーバリエーションしかないイスのほうが売り上げが多いらしい。つまり、選択肢が多ければ多いほど、人間は選ぶ事ができない。決断することにストレスを感じるからだ。眩暈を起こすのである。「選ぶ」という自由があるが故に。
最近、ワシはこの自由の眩暈を起こす事が多い。
知恵熱が出るほど。
世の中には大切なモノが多すぎる。
好きな人や物が多過ぎて見放されてしまいそうだ。
こーゆー眩暈を起こさないくらいもうちょっと感情が麻痺して図太くなってくれればいいのだが、そうもいかないみたい。
いっそ、オレが選ばれる立場になってしまうほうがラクなのかもね。
いや、でもそれじゃ逃げてるだけだな。
もっとシッカリと、向き合わなきゃ。
オレにできることは?
オレがしなくちゃいけないことは?
どんなに不安で眩暈ったとしても、どんなに選択肢が目の前に突きつけられてストレスを感じ続けたとしても、この世にはどうしても選べないってことも、ある。絶対に、ある。
 
っつーわけで、Macy Gray『She Ain't Right For You』。
彼女の中で最も琴線に触れる名曲。
ラスト、メイシーが泣き出してからは、こっちまで泣ける。