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きのう何食べた? 3巻】
今回は#24話のやたら旨そうなクレープ以外、1〜2巻までのような目新しい料理のレシピは出て来ませんでしたが、より主人公2人のゲイカップルのライフスタイルにフォーカスを当てたエピソードが多かったように思います。
とくにカムア済みの40歳過ぎた独身ゲイが正月に実家へ帰省するエピソード。妻子を連れて帰省するわけでもなく単身で実家へ帰省した主人公。両親と主人公の3人で静かに正月を迎えるが、そこへ近所の子どもが年始挨拶に訪れる。賑やかなその子どもたちを、両親は目を細めながら、まるで我が子や孫をもてなすように可愛がる。そんな両親の姿を見ながら主人公は「そうか きっとこの人達は もう孫の代わりに お隣の子を可愛がる事に決めたんだ…」と少し寂しそうに、でも真摯にその事実を受け入れる場面。結局、カムアしてもしなくても突き付けられる事実っつーのは同じで。結局はカムアした側もされた側も、真実を共有する代償として何かを諦めなくちゃならないのかな。そんなの寂しいな。でもやむを得ないのかな。
両親へは未カムアのゲイであるオレにとってこのシーンが重過ぎて、本編のメインであるほかの料理シーンが、なかなか記憶に残らなかった。これまでの明るく楽しいゲイ2人生活を描いた1〜2巻とは明らかに全体のトーンが違う。秋の夜に読むにはちょっと寂しいそんな一冊。
オレらのこれからは一体どうなるのかなと、ふと考えた。

きのう何食べた? 3 (モーニング KC)

きのう何食べた? 3 (モーニング KC)