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今週はツラかった。先週末からの島根出張に引き続き、週明けすぐに地獄の出張一日三都物語を決行。午前中は院内で仕事して昼一番で出発し、京都〜大阪〜神戸とまわって夜中0時過ぎに帰院。その間ずっと食事をすることもできず死ぬかと思いました。低血糖で目眩。世の中はリストラにあい仕事したい人で溢れ返っていると云うのに、どうしてうちの病院は求人かけても人が集まらないのだろう。酷使されるのが分かっているからか。そうだろうな。早く人を補充しないと、今いる職員が過労で死ぬぞ。誰か若い魂を最先端の医療に捧げようと云う心意気のあるヤツァいねぇか。一緒に戦おうぜ。
そんな移動中にさらに一冊読了。第17回小説すばる新人賞を受賞した作品だそうです。へぇ。文庫版にはハードカバーには収録されていないサイドストーリーも追加収録されてました。
『となり町戦争
ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた"僕"に、町役場から一通の偵察業務任命書が届き、次第に見えない戦争へと巻き込まれて行く。』
基本的に公務員がキライです。杓子定規な窓口対応とか、閉庁間際に行くと既に机の上に帰り支度をしているようなヌルいモチベーションとか。オレの働いている病院も半官半民なので立場上はオレ自身も公務員的立場ではあるのですが、どう考えても民間病院よりキツイ勤務体制にあり、朝も早くから夜中遅くまでの激務。だから余計に仕事で役所に出向いた時のヤツらのユルすぎる対応には腹立って仕方ありません。そんな「イラッ」とする感触が見事に紙面上で再現されてる作品でした。公務員特有のまわりくどい婉曲表現とか、書式にばかり拘る仕事っぷりとか。ふと筆者のプロフィールを見ると、なるほどコイツも公務員だったのだな。納得。
ストーリーの展開はまずまず。これ以上長くなってたらツラかったのですが、文庫本にして約270頁。適当な長さ。見えない戦争がジクジクと日常を侵す感触。その不快感を味わうのがこの作品の醍醐味か。
映画化もされているようで。主演は江口洋介。もうそれだけで失敗作の予感プンプン。こーゆーテイストの作品は小日向文世主演にして「世にも奇妙な物語」あたりで充分じゃね?

となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争 (集英社文庫)