境界空間はなくならない

「もしバンドするならどんな名前がカッコイイか?」
とゆー妄想合戦を、夜も更けたカフェで延々してました。
「こんばんわー!○○○○でーす!」とライブでのMCを想定し、
数々トンチの効いた(表現古っ)名前が候補にあがりましたが結局は、
松田聖子の曲名をバンド名にするとインパクトある」との結論に達す。
 
例1「こんばんわー!裸足の季節でーす!」
  (嘘くさい程の初々しさがあるバンド。サンミュージック所属か。)
 
例2「こんばんわー!ロックンルージュでーす!」
  (ノーマジーンとかピンクサファイアとかギャルバンドっぽい。)
 
例3「こんばんわー!天国のキッスでーす!」
  (かなり痛いのが逆にアガる感じの名前です。)
 
例4「こんばんわー!青い珊瑚礁でーす!」
  (鍵盤女二人デュオっぽい感じ。花*花とか?キロロとか?)
 
例5「こんばんわー!瞳はダイアモンドでーす!」
  (なんかシンセ多用でキラキラした曲ばっかやりそうなバンド。)
 
例6「こんばんわー!ガラスの林檎でーす!」
  (こんなクリスタルな名前でパンクバンドだったらめちゃカッコイイ。)
 
例7「こんばんわー!ピンクのモーツアルトでーす!」
  (落ち武者のように禿げたオッサンのピアノ弾き語りユニット。)
 
例8「こんばんわー!マラケッシュでーす!」
  (グラムロックっぽいな。漢字表記で"魔羅血腫"ならなお良し。)
 
例9「こんばんわー!抱いて…でーす!」
  (コレは是非head69のようなSG系アニキバンドに名乗って欲しい。)
 

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僕の小規模な失敗】 福満しげゆき
今どこの本屋でもコレの続編『僕の小規模な生活』1巻が平積みにされてるのですが、オレ的にはコッチのほうがよりウジウジしてて好きです。こーゆー暗黒大陸系青春モノには極めて弱いなぁ、オレ。グッと来る。単行本帯には「アックス版まんが道」と書かれているが、なるほどって感じ。藤子不二雄まんが道がマンガに対するストイックな一点砲火型青春劇だとすれば、コッチは主人公のポリシーのブレ具合が絶妙な注意散漫型青春劇。ちなみにハチクロは恋愛スパイスを巧みに絡めたガールズまんが道だとオレは思う。
このダークスパイラル感はここ最近の古谷実ヒミズ」「シガテラ」「わにとかげぎす」に通じるなぁ。とことん絶望的に展開していく古谷に対して、コッチは主人公に自己肯定感が全く無いものの、比較的軽快な行動力を伴って物語が展開していくので救済感は残存している。その加減が絶妙。(のちに『僕の小規模な生活』へ継続してからはその救済感がどことなく「赤灯えれじい」に近いものになってるような気もする。貧乏同棲生活だけど何となく生活は成り立ってる感とか。)
それにしても、オレがこーゆー自己肯定感の極めて少ない主人公を愛おしく想うこの気持ちは一体何なんだろうか?「正義!友情!勝利!」みたいな週刊少年ジャンプ系の主人公よりも、こーゆーウジウジした主人公たちは断然に愛おしく近しいものを感じる。「夢はいつか叶うんだ!」と能天気に満面の笑みで叫ばれるよりも、「叶わない夢もあるんだ」と抑揚の無い暗いトーンで諭されるほうがよっぽど真実だと思うし。だからこの主人公が自己否定感に悩みながらも他者との関わりを不器用に求めて苦悩してる姿はとても愛おしい。
求職中とか留年中とか、そーゆー人生のエアポケットに陥ってる人には是非読んで欲しい。(1話のラスト2コマは泣くよ、いやホント。)

僕の小規模な失敗

僕の小規模な失敗