異文化ガールズ

『DREAM GIRLS』
オカマ的には「まだ観てなかったのかよ」とツッコまれそうですが、まだ見てませんでした。なんか前評判が高すぎて逆に自分的にちょっと引いてた部分があったから。rockくんから借りたので勢いで観ました。オモロかったけど、残るモノが多い映画だったかと言うとちょっと微妙。たしかにJennifer Hudsonは最初「オォッ!」と思ったけど、最初から最後まであの力技でねじ伏せる系の一本調子な歌唱は途中からちょっと飽きた。オリジナルのJennifer Hollidayが未だに同じような力技歌唱で初志貫徹してるから、それはそれでイイのかな。Eddie Murphyが予想外に抑えたイイ演技をしてて驚いた。あの人の演技はクドくてちょっと苦手だったんだけど、あれくらい抑揚の効いた演技なら好きだ。Beyonce KnowlesはどんどんDiana Rossに見えてきて笑った。メイクってすごいな。人の顔を簡単に変えちゃうのね。サウンド面はどれもこれも大風呂敷なアレンジで食傷気味。ただ唯一、「メッセージ色が強過ぎる」とか言って発売されなかったMarvin GayeのWhat's going onみたいな曲がめちゃめちゃイイ曲だった。アレ何て曲? 映画全体としては、あざとい感じで狙いを外さないベタな演出。エンディングもカーテンコールのような主要キャラの個別フューチャーで、映画館でも自然にスタンディングオベーションをしやすいノリを狙って作った感じが逆に冷めた。う〜ん、ちょっとキビシすぎる評価かもしれないけど60点。モータウンが好きなだけに。

ドリームガールズ スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

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『CALENDAR GIRLS』
同じ「○○○ガールズ」というタイトルでも前述のドリームガールズとは180度別物。ババアたちがどんどんヌードになっていく映画。めっちゃ好き。カテゴリーとしては、チアーズとかスイングガールズとか、"女が集団で泣いたり笑ったり元気いっぱいガンバル系"の映画として同じ扱いでイイんじゃないの?若い娘がガンバってる映画もたしかにオモロいけど、ババアがガンバってる映画はもっとオモロイ。しかも脱いどるし。コレは是非日本でもリメイクして欲しいね。それで熟年女優たちにどんどん脱いでもらうのだ。キャスティングとしては、倍賞美津子萬田久子室井滋銀粉蝶新藤恵美鷲尾真知子、あたりを希望。オカマ的には震えるほどに楽しい映画になりそうだ。
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『SHAUN OF THE DEAD』
コレめっちゃオモロイんですけど!今まで観たゾンビ映画の中でもベスト3に入るヨ!特に物語の導入部分は秀逸。世の中の異常事態に気付かず普段通りの日常を過ごす主人公、その画面の後ろの方でゾンビがフラフラ歩いてたりコンビニのショーケースが血まみれだったり。この日常と非日常が交叉して入れ替わっていくポイントのズレというか、ハズシの感覚というか。これが絶妙。日頃から冴えないボンクラ生活の主人公たちが、いつも通り冴えないパブに立てこもる。この緊張感が無く、だらしなくてボンクラ全開加減は、是非日本でリメイクするなら木更津キャッツのメンツをキャスティングして欲しいものだ。木更津の町にゾンビが増殖して「野球狂の詩」に立てこもる感じで。そういえば何となく脚本のノリ自体もクドカンっぽいと言えなくもない。最近のゾンビ映画で流行りのスタイリッシュな全力疾走系ではなくて、70年代元祖ゾンビ映画への尊敬の念とオマージュに溢れた愛すべきゾンビリスペクト映画だと思う。でもアメリカのように単純明快ホラーではないあたりがイギリスっぽいとでも言うか。