逃避ファイブシネマ

ニンゲンだもん。やっぱりツライ時はあるよ。
ひとりぽっちじゃ、へこたれるなぁ。
でも、だからと言ってそんな時に甘えれる友達いねーし。
フと気が付くと友達少ねーんだよなー、オレ。
そんなわけで映画の世界に逃げ込んで５本レンタル連続鑑賞。
ラインナップを見ればどれだけオレが病んでたか一目瞭然。
どんだけー。
　
◎デモンズ
映画館の中に観客が閉じ込められてデモンズがワラワラ出て来る密閉型ホラー。子供の頃に見た時はものすごいコワイ映画だった記憶なんだけど、今回レンタル屋さんで見たパッケージには「アクションホラー」って書いてあった。ア、アクション…？なんとなくキャンプなニオイもするし薄れた記憶の糸を鮮明にするためにもレンタルして再観。Dario Argentoらしい色使いには感心したけど、全編通してスットンキョウな映画でした。サスペリアで見せたあの格調高いゴシックホラーのテイストは一体何処へ消えたのだ。映画館の中をバイクで暴走。日本刀振り回してデモンズと応戦。脈絡も無くヘリコプター墜落。そしてBGMは何故かメタル。メタルッ?!

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◎ビデオ・ドローム
David Cronenbergの問題作。超カルト。さすがに時代が古いから特撮はヘボいけど作品自体の奇天烈感は秀逸。日本で例えるなら「鉄男」かなぁ。それにしてもテレビとかビデオとかネットとか、メディアを媒介としたホラーってどれを観ても一定のクオリティーを保ちつつ気味の悪い雰囲気が見事に出ている傾向にあると思う。「回路」なんかその代表。そもそもメディアそのもの自体が、正体の分からない薄気味の悪さを持ってるからなんだろうなぁ。メディアの持つ匿名性とか操作性とか無機質な感じが、人間の深層心理に不安感を発生させるのだろうと、ちょっとウマいコトを言ってみたりする。個人的にウケたのは前半にちょこっと登場する完全に日本を勘違いした「サムライドリーム」ってエロ映画。笑える。

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◎WXIII 　機動警察パトレイバー
プロットは変えてあるけど基本的に原作で言うところの廃棄物13号事件だよね。原作では13号と同時にグリフォンとかも出て来てたからより混沌として好きなエピソードだったんだけど、映画ではグリフォン出て来ないし意外とアッサリしたストーリーに仕上がってた。13号のディテールはそのまんまグエムルだった。と言うよりグエムルがパクったんだろうけど。パトレイバーって映画版は続編が発表されるたびに、本来主役であるはずの特車二課の影がどんどん薄くなる。コレはもぅ完全に原作プロットを無視した単独の怪獣映画。でもその毎回主人公の軸をズラす演出や脚本が見事なんだよなぁ。そして毎回ラストに用意されてるカタルシス。やるなぁ〜と毎回感心してしまう。てか、ハタ刑事イケる。

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◎吉原炎上
我らオカマちゃんたちが大好きな例のアレ。こんな気分の時だからこそ再観。この映画の全く隙がナイ仕上がりに比べたら「さくらん」なんて子供騙しだね。やっぱ五社センセイだよ！オレが一番スキなのは爆発直後にモノ凄い表情をこれでもかとアップで晒す、かたせ梨乃。西川峰子の伝説的シーン「ここ噛んで」よりオレ的にはスキ。あの爆風に震える不細工顔はアッパレなのだ！ちなみにオレが子供の頃に観た時は、西川峰子の例のセリフが「噛んで！噛んで！」ではなくて「金！金！」と言ってるんだと勘違いしてた。子供の知能ではあのシーンと「噛む」という言葉が結びついていなかったのだろう。当然か。それにしても昭和の女優たちは気迫が違う。どいつもこいつもイイ面構えしてやがるなぁ。さらに明治の建造物がすごくステキだ。とくに中梅楼はさながら富士屋ホテルのようで圧巻。明治維新後の西洋と日本の折衷感が何とも言えず魅力的な建築美。

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◎ラフ
これまたなんちゅーツマラン映画を作ったもんだと呆れ果てた。とにかく何もかもがウザイ。演出も、主役の二人の演技も、途中で何度も挿入されるスキマスイッチの曲も。そして原作のラストを台無しにする映画オリジナルのラストにも幻滅。基本的にあだち充がウザくてあまりスキではないのだ。だったら何故この映画を観たのか。それは石田卓也が出てるから。それだけの理由。とはいえ、やはり競泳をプロットに盛り込んである映画だけあって、水中カメラで撮影されるシーンはどれもこれもキレイだった。オレが選手やってた頃に泳ぎながら見てた視界にホント近い感じ。水泳連盟が全面的に協力してるだけあるなぁ。評価できる点はその水中撮影シーンくらいなもんだろうか。でも、やっぱり石田卓也はカワイかった。でへへ。

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