御釜メイクアップ

やっぱり台風でワクワクするのはニンゲンのサガだね。
こりゃどーしよーもない。
家でジッとなんかしてられない。ウキウキしながら街へ。
号風ビュービュー、豪雨ザーザー。ヤッホーィ。
元同僚(♀)の誕生日プレゼントを買いにテンマヤへ。
女物のプレゼントって難しいなぁ。
服やクツはサイズがあるから変なの買えんし。
バッグやサイフみたいな高価なモンをあげる気はナイし。
結局直接本人に電話して「アンタ何が欲しい?」って聞いた。
「化粧品が欲しい」って言うので化粧品売り場へ。
電話片手にギャンギャン言いながらオカマ一人練り歩きました。
でも電話で相手の希望聞きながら化粧品探すのは非常に難しい。
だって化粧品の肝である『色』を口頭で伝えるのは至難の業。
どんなに表現力を駆使して言い表しても百聞は一見に如かず。
オレ「あっ、このチークかわいいよ!」
電話「どんな色?」
オレ「ん〜〜、軽い感じのピンク…。」
電話「軽いってどれくらい軽い?グラムで表すと?」
オレ「グラムッ?!…5gくらいな雰囲気…かな…。」
電話「全然わからんわ」
オレ「桜の花びらが太陽に透けながら舞い散る感じの色かな」
電話「ますます分からんわ」
 
もーホント基本的にオレ化粧品の知識が無いから四苦八苦。
だんだん面倒になって途中から携帯を店員のオネーチャンに渡して、
直接電話の向こうの元同僚(♀)とやりとりしてもらいました。
そんな時、Diorのグロスの新作が出てるのを発見。
オレ「あっ、ディオールグロス、カワイイの出とよ!」
電話「そういえば新作の色が出るって雑誌で読んだわ!」
オレ「じゃあコレにしようぜ!何色がイイ?」
電話「そうね〜、あたしクチがデカいからおとなしめの色で」
オレ「おとなしめの色か〜、このピンクのラメっぽいのカワイイよ。」
電話「ラメラメしたのとかパールっぽいのはダメ!」
オレ「なんで?」
電話「だからアタシはクチがデカいから強調されるカラーはダメなの!」
オレ「そうよな〜、アンタこの色付けたら生肉食ったみたいになるよな」
電話「生肉って…あたしどんなアマゾネスよ。どんだけー。」
オレ「さらにラメラメだから水銀飲んだみたいなテカりになるわな〜。」
電話「水銀って…やっぱりオカマは女に対して容赦がないわね、ほんと」
 
っつーわけで1時間ほど売り場でゲラゲラ言いながら結局グロス買った。
はぐれオカマ、化粧品売り場で1時間一人舞台。大ひんしゅく
お会計の時に売り場のオネーサンに、
「仲良しのカップルなんですね、
 彼女さんを大切にしてあげてくださいね。」
と、検討ハズレも甚だしいコトを言われた。
オネーサンあんた、どんな感性しとんのじゃ。
さっきまでの一連の電話の会話、どう考えてもカップルじゃねーだろ。
どう聞いてもオカマvsオンナだろ。
人を見る目ナーシ!! 接客業する資格ナーシ!! ドーン!!