青春ユニコーン

出勤途中に朝っぱらからオネハ全開の車と信号待ちで隣になった。7〜8年前はオレもこんな感じだったんだろうなぁとシミジミした。そんなオレの車内ではユニコーン「デーゲーム」が流れてた。同じオカマ同士(だと思う)なのにこの差は何なんだろうね。かたやテンション完全トップギア、かたやテンション完全ローギア。
ユニコーンと言えば「服部」を聴くと必ず思い出す友達がいる。高校時代の同級生Yくん。学校の花形サッカー部なのに冴えないヤツ。そんなYくんは同じクラスの「服部さん」に片思い真っ只中だった。この服部さんもパッと見は冴えない地味な感じの女の子。Yくんはオレらと一緒にカラオケに行くと必ず♪ネバ!ネバ!ネバネバ〜!♪と「服部」を歌っていた。
大学受験を半年後に控えた高校3年の夏休みのある夜。Yくん含む友達4〜5人と河川敷で互いの恋愛話に花を咲かせていると、突然Yくんが「ダメだ!服部さんが好きすぎてジッとしてられない!どうしよう!大声で叫びたくなって来た!」と言い出した。オレらもオモシロくて「おぅ!叫べ!叫べ!思いの丈を川にぶつけろ!」とゲラゲラ手を叩いて転げ回りながら笑って煽ると彼は、「ウオオオーーー!服部さーーーん!」と川に向かって猛ダッシュを開始。そしてそのまま川までの距離の目測を誤り真っ逆さまに漆黒の川へ落ちた。暗闇で人間が一人大声を出して叫びながら川へと駆け出し一瞬にして姿を消すという衝撃シーンを多分オレは一生忘れない。てか、思い出す度に爆笑してしまう。
高校時代とは何故これほどバカなコトばかりに彩られた日々なのだろう。
迸るほどにバカな日々。でも、どこかちょっと切なくて愛おしい日々。
多分こーゆーのを胸キュンと言うのだろうか。 …言わねーか。

服部

服部