高校時代はそんなモンだ

夜のピクニック
恩田陸原作。年に一度、高校で行われる「歩行祭」。80kmを24時間で歩き通すというイベントに、3年生の貴子は、高校最後の思い出として、ある思いを胸に参加する。それは同じクラスの融に話しかけること。ただそれだけの一歩が踏み出せない深い理由が一夜のうちに明かされつつ、昨年は一緒に歩き、今はNYに暮らす親友の杏奈ら、クラスメートそれぞれの複雑な思いが交錯していく青春群像劇。
イシダタクヤ見たさにレンタルしたのですが、これが意外と予想以上にイイ映画でビックリしました。一言で表現するなら《瑞々しい》。色んな映画評論サイトでは「メリハリに欠ける映画」だの「ただ高校生がダラダラ歩いてる映画」だの酷評されてたりもするんだけど、高校時代ってそんなモンだ。「なにもない」ってコトこそがモラトリアムの素晴らしさたる所以だし、「なにもない」日常なのにキラキラしてんのが青春ってモンでしょう。だからこの映画はメリハリが無くて正解。だからこそ胸キュン(死語)。「ただ歩くだけなのに、なんでこんなにも特別なんだろう」ってセリフが象徴してる通り、この年代は「ただ歩くだけ」でも特別な意味を持てる貴重な年頃なんだよね。うちの高校にもこーゆーイベントがあれば良かったのに。真っ暗だった夜が明けて次第に空が白み始めて来る静寂の時間帯に見渡す限りの田園風景を友達と延々歩く。こんな素晴らしいシチュエーション他にナイんじゃないの?「ただ高校生がダラダラ歩いてる映画」、ある意味これはロードムービーにカテゴライズされてもイイのではないだろうか。そして数あるロードムービーの中でもかなりの秀作。
そしてイシダタクヤはやっぱり超カワイかった。

夜のピクニック 通常版 [DVD]

夜のピクニック 通常版 [DVD]