人間は最も危険な動物

rockくんとレイトショーで『ZODIAC』観て来ました。
★★☆☆☆。
前情報で期待し過ぎたせいか肩透かし感が否めなかった。
60-70年代にSan Franciscoを震撼させた実在の連続殺人事件とその犯人「Zodiac」を追う2人のジャーナリストと2人の警官。新聞社に次々と送りつけられるメッセージ。事件とメッセージがパズルのように入り組む。謎は深まり、4人の人生も次第に狂わされていく。(←ケンチャンblogからそのまま引用しちゃった)
同じDavid FincherでもSEVENのラストほどのやり切れなさも無く、SAWやユージュアルサスペクツほどの爽快な裏切られ感も無く、羊たちの沈黙ほどの高揚感や盛り上がり感も無く。このモヤモヤ感はどこかでも味わったなぁ、と記憶を辿ってみると「あぁ、浦沢直樹マンガの盛り上げ上手で幕引き下手な尻すぼみ感と全く同じだ」と一人納得しました。
まあ、「事実に基づく未解決事件を扱った映画だから」と言われればこのモヤモヤ感は意図されたモンなんだろうけど、意図されたモヤモヤ感とこの映画の不消化感はまた別物のような気がする。観客がみんなおそらく終演後に感じるであろうこの不消化感を、あらかじめ「これは事実に基づいた映画だから」という理論武装されてると何も言い返せないもんなぁ。上映時間が2時間越というのもその要因か。1時間半ほどで纏めとけばもっと違った印象だったのでは。(本編とは全然関係ナイんだけど、劇中で何度も鳴る電話のベル音がデカすぎて毎回ビクッとなってしまった。)
作り込み方もスゴイし、キャストの演技(特にJake Gyllenhaal)も各々本当に素晴らしいが、アリかナシかと言われるとナシではないが積極的にアリとも言えない、とゆー非常にビミョーな感想になってしまった。他に観た人がどーゆー感想を持つのか気になるトコロ。
日本でやるなら監督は黒沢清といったトコロか。森田芳光でもアリかな。主演は内野聖陽あたりの地味目な感じで。てか、それじゃ黒い家そのままやんけ。