柔軟シネマ

仕事パンクで脳味噌バーン。
そんな状態を脱却すべくユルい日本映画を観たりして。
 
恋の門
石で漫画を描く自称漫画芸術家の蒼木門は、バイト先でアニメおたくのコスプレOLの証恋乃と知り合う。彼女の家で飲んだ勢いでいい雰囲気になるも恋乃にアニメのコスプレをさせられたり、アニメ歌手のファンの集いに参加させらりたり。お互い極端な価値観でスレ違っていく恋愛にハマる二人を描く、大人計画松尾スズキによるラブコメコスプレ映画。ユルい!
石だの漫画家だのってプロットは、つげ義春無能の人」へのオマージュか?原作のドロ臭さには及ばないが、とにかく酒井若菜がヨカッタ。松田龍平はヘボイな。計算しすぎ。ダサイけどオシャレなポイントを狙い過ぎ。脇を固める夫婦役の大竹しのぶ平泉成は格別。キャリアの差が歴然に出てしまったか。それはそうと、この映画のキスシーンはどれもこれもやけに肉感的で素晴らしかった。唇や顔の柔らかさが見事に伝わる名キスシーンばかりです。ところで、エンディング曲のサンボよりも、挿入曲の忌野清志郎のほうが断然イイ曲で印象に残る。残念!サンボ!キャリアの差が歴然に出てしまったか。

 
『サマー タイムマシン ブルース』
真夏にクーラーのリモコンが壊れたSF研究会の部室。そんなところへ偶然現れた本物のタイムマシンに乗って、昨日にタイムスリップ。壊れる前のリモコンを取ってきた研究会の面々。だがそれは過去を変える行為であり、そのせいで世界の全てが消滅する恐れがあることを知り慌てる人々のドタバタをハイテンションで描いた劇団ヨーロッパ企画の舞台を映画化。ユルい!
何もかもが好きなシチュエーションの映画でした。タイムパラドックス、夏、部室、下町、銭湯、モラトリアム、ドタバタ。とにかくグランドの芝生が緑!緑!そして突き抜けるような空は青!青! 子供が大人になるまでの通過点、ぽっかりと出来た人生のエアポケットのような時間に繰り広げられる極めてくだらない一騒動は、どことなく懐かしくて、切なくて完全にツボ。それがまた過去へ未来へとタイムトラベルを繰り返すドラえもんのようなプロットもツボ。その騒動に自ら巻き込まれていくようなボンクラ主人公たちもツボ。そしてそのボンクラたちが暑い夏の炎天下で野球をするオープニングもツボ。 
かもめ食堂
フィンランドヘルシンキ日本食堂を経営しているサチエは、本屋で知り合ったミドリを食堂のスタッフに迎える。お客は、日本かぶれのフィンランド人青年しかいない店にボチボチ人が集まるように。悩みをかかえたフィンランド人、荷物が出てこなくなって困っている日本人マサコなど、個性的なお客さんたちが店に集まりだす。北欧の美しい街並みを背景に街の人とサチエたちとの淡々とした交流が描かれる、フィンランド舞台のほぼ"やっぱり猫が好き"。ユルい!
この抑揚の無さ、凹凸の無さ、が素晴らしいなぁ。小林聡美は今の日本で最も消えモノの似合う女優。もたいまさこは佇まいだけで演技が出来る数少ない女優。この二人は同じ事務所ってコトもあって一緒にブッキングしやすいケド、室井滋はやっぱり難しいんだろうなぁ。ぜひこの3人が"猫"以外で共演してるトコを観たいのだが。無理か。 ところで、かもめ食堂一番最初の客が帰る時に小林聡美は「いいです」と言ってんだけど、どう聞いても「いいどす」と舞妓さん言葉になっとる。舞妓Haaaan!!!そして一番ビックリしたのはスナフキンとミーが兄妹だと言うコト。
《ケンチャンblogで登場されとる、かもめ食堂ベストショット。
 →http://yzy-ent.vox.com/library/post/kamome-diner-2006.html
かもめ食堂 [DVD]

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『HOUSE』
7人の少女、オシャレ、ファンタ、ガリクンフー、マック、スウィート、メロディーは、夏休みに田舎に住む叔母の屋敷を訪れる。しかし一人また一人と少女たちは失踪し屋敷の中で殺されてしまう、大林宣彦による超カルト和製ホラー。ユルい!
なんじゃコリャ!!!!!!!!!!! 数えきれないくらいの映画を観て来たけど、我が映画人生のキャンプ映画ベスト1だな。よくコレが東宝の商業映画と成り得たもんだ。コレはこのヘナチョコ具合をあざとく狙って作られた作品じゃない。あくまでも制作者側は、いたってマジメに真剣に作っとる。そのマジメさが画面からは伝わってくるが、いかんせん演出も脚本も演技も何もかもがアホすぎて最大級の化学変化を起こしとる。たまげた!こんなキャンプ映画が日本に存在するなんて!しかもそれが大林宣彦監督だなんて!観終わった時には腰が抜けてしばらく放心状態だったよ、マジで。巨大唇が暗闇に浮かぶ場面での「大きすぎる」ってセリフにはアゴが外れるかと思うほど笑ってしまった。
HOUSE [DVD]

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